こんにちは、しょうです!
最近ニュースなどでよく聞く「スタグフレーション」ですが、皆さんどういった意味なのか理解していますでしょうか。「ただの不景気のことでしょ」と思っている方はまだ理解が浅いです。
本記事はそんな「スタグフレーション」について、基礎的な意味から、日本で実際に起きていること、それに対して何をしたらいいのかまで、わかりやすく解説します。
・「スタグフレーション」って何?
・スタグフレーションの影響を知りたい
・スタグフレーションの対策を知りたい
INDEX
スタグフレーションとは
スタグフレーションとは、「スタグネーション:景気停滞」と「インフレーション:物価上昇」を組み合わせた造語です。これは景気が悪化しているにも関わらず、インフレーション(物価上昇)が起こる現象のことで、「悪いインフレ」とも呼ばれています。
不景気なのに物価上昇によって、生活必需品などの様々なものの価格が高騰するし、不景気だから賃金も上昇することがなく、購買がよりいっそう低下し経済の循環が悪くなることが起こります。そのため、私達一般の方にとっても極めて厳しい経済状況となると言われています。
30年間給料が上がっていないと言われ問題視されている日本の給与ですが、ここにきて物価の上昇、円安と益々、私達にとって厳しい状況が続いています。スタグフレーションは、私達にとって更なる向かい風になっていると言えるでしょう。
スタグフレーションの原因
スタグフレーションが起きる要因は、石油や天然ガスなどのエネルギー物資や食料品などの生活必需品の供給が足りなくなっているのが主な要因になります。供給不足により、様々なものの価格高騰が起こっており、それに伴い製造費用や仕入れ価格も高くなっているため、様々な価格の高騰が起きてしまっているのです。
その供給不足の一つの要因は、ロシアのウクライナ軍事侵攻といわれています。ロシアは資源の輸出大国であり、食料の供給量も多いことから、ロシアへの経済制裁などが影響でスタグフレーションへ進んでいく可能性が高まっています。
日本でもロシアから天然ガスや生鮮食品など、様々なものを輸出していたことから、今後様々な物の供給不足が進行し、価格高騰が起こるとされています。
過去に起こったスタグフレーション
ここでは、過去に起こったスタグフレーションの例を見てみましょう。過去に起こったことから今後の対策などの参考になるはずです。
オイルショック
1973年に勃発した第4次中東戦争の影響で、第一次オイルショックが起こりました。第一次オイルショック時には、資源輸入国の多くの企業がコストの高騰に見舞われ生産を抑制した結果、景気は大きく後退し、供給が需要を大きく下回ったため、物価上昇が起こりス タグフレーションが起こりました。
日本でも原油輸入価格が前年比+200%を超え、消費者物価は同+23.2%まで上昇し、今この時と同じような現象が起こりつつあるので、スタグフレーションが起こる可能性は高いと言われている由縁になります。
イギリスのEU離脱
2020年1月にイギリスは正式にEUから離脱しました。英国はEU離脱の景気悪化を軽減させるために総需要刺激策を用いて景気を下支えする予定でした。しかし、離脱後からすぐにポンドの価格が下がり続け輸入品高騰などにより、供給量が減少し物価上昇が起こりました。
しかもそれに付随して景気も上がっていないため、イギリス国民の所得が減少する悪循環が生まれました。このように通貨の影響でもスタグフレーションは、起こり得るのです。
スタグフレーションの影響
スタグフレーションが私達に与える影響を一部、ご紹介します。
物価上昇による、生活費の圧迫
スタグフレーションが起こることにより、物価が上昇しますが給料は上がらないため、生活費が圧迫することになります。極端に言ってしまうと、つい最近まで100円で買えていたものが150円になるのですから、今までと同じ生活をしていたら消費が増えてしまうのです。
そのため節約をする、我慢をするなど、今よりも生活水準を減らすなどの対策をする必要が出てきます。このようにスタグフレーションが個人の生活にまで影響を及ぼす可能性は高いといえるでしょう。
先行きが不安になる
スタグフレーションが起こると、それがいつ解消されるのかは誰にもわかりません。そのため今後の将来設計や計画が全て破綻する可能性あります。
さらに、新型コロナウイルスによる経済停滞やロシアとウクライナの情勢などがどうなるかはわからないため、将来の見通しがつきにくくなります。また計画を見直そうにも、こんな状態が続いていたら再設計することも難しく、先行きが不安だと感じる人が増えています。
株価の下落などによる投資資産の目減り
スタグフレーションが起きることにより、投資資産の目減りの懸念があります。なぜなら、不況であると感じ始めると投資家の心理は冷え込んでいき、売り圧力が高まるためです。
歴史を見てもスタグフレーションの時、投資は消極的になり、株を手放す投資家も増えていきます。そのため、スタグフレーションが起きている時は、自身が保有している投資資産が目減りする可能性があります。
現状が不況であるかどうか確認できる指標である景気動向指数、こちらを詳しく知りたいという方は、以下の記事が参考になります。
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【景気動向指数とは】 景気動向指数って何?種類や指標の読み取り方などわかりやすく解説!
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スタグフレーションの対策
スタグフレーションに備えて、様々な対策を講じる必要があります。個人でできることを今から行い、来たるべき不況に備えていきましょう。
節約をする
スタグフレーションが起きると、今まで通りの生活をしていたとしても消費支出は増えていくコトが予想されます。そのため、現状使用しているお金をあらためて把握し、必要のないものやムダな支出は極力減らしていきましょう。例えば、使ってもいないサブスクリプションサービスを辞める、通信料を見直す、コンビニなど価格の高いお店では買わないなど、細かい節約を心掛けていくとよいでしょう。
副業を始める
不景気な状況が続くと給料の増加などを会社に期待することはできません。そのため、少しでも収入を増やすために副業をすることをオススメします。今は副業簡単に始められる環境やアプリが揃っています。例えば副業したい人と企業をマッチングするクラウドソーシングというサービスを使えば、即日で仕事を受けて対価を得ることができます。自信のある技術や経験があれば、積極的に活用してみるとよいでしょう。
資産を分散する
スタグフレーションでは物価上昇に伴って、お金の価値が大きく変動することが予測されます。そのため、現金以外にも保有している資産を増やすのも一つの手になります。景気に左右されにくい、不動産やコモディティ(金やプラチナなど)を保有しておくのもリスク低減になります。自分の持っている資産を一度整理して、一部をコモディティに回すなど、調整をして自分の資産を守りましょう。
まとめ
最後まで、お読み頂きありがとうございます。本記事では「スタグフレーション」について解説させて頂きましたが、ご理解頂けましたでしょうか。「スタグフレーション」の怖さを知った反面、今後起きうるであろう不況に備えて個人で対策できることも知って頂けたのではないでしょうか。
世界的に不況の状態になってしまっては、国を頼りにすることもできません。自分の資産は自分で守れるように今から、少しでも動いていきましょう。少しでも参考になれば幸いです。
景気が良いかどうかの判断に有効求人倍率も使われますが、こちらに興味がある方は以下の記事が参考になります。
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